岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

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馬鹿は風邪ひかない?

記録更新の高温の秋が一転、木枯らしが吹き、風邪の季節が到来しました。インフルエンザやマイコプラズマも流行ってます。おっと、新型コロナも盛り返して存在を主張しています。医療現場はまことに厄介な状態です。風邪というと、昔から「馬鹿は風邪を引かない」と言われ、日常の会話でも「風邪ひかないよ、馬鹿だから」とか、頻用されています。謙虚なのか、開き直りか。

「馬鹿」な人は鈍感で、「風邪をひいても、症状を自覚しない」ために「風邪をひいたと感じない」というのが元来の意味のようです(wikipedia)。江戸時代の1787年に書かれた書物、『譬喩尽(たとえづくし)』に「信天翁凮不引(あほうかぜひかず)」と記載され、いわれの歴史は古そうです。

今日的、科学的?に都合よく解釈すると、ここに言う「馬鹿」とは鈍感で、周囲の雑事にとらわれないマイペースな人のことかもしれません。「平成の大馬鹿門」と同じ「馬鹿」。本当は賢くて、肝が据わっているからこそ取れる姿勢を代表しているのかも。医師で作家の故渡辺淳一氏は著書「鈍感力」で「些細なことで揺るがない“鈍さ“こそ、生きていく上で最も大切で、源になる才能だ」と説き、鈍感力を人間力の一つと提言しました。鈍感力があると、いちいち周囲の事情や雑事にとらわれなくなるのでストレスが減りそうです。ストレスが少ないと、胃が悪くならないだけでなく、免疫力が高まり、感染症になりにくくなると考えられます。結局、風邪をひきにくくなるわけです。なんとなく説得力がありそう。「馬鹿風邪問題」は単なる無責任な都市伝説ではないかもしれません。忘年会で酔っぱらい、道端で寝てしまって風邪ひくのは別種の「お馬鹿さん」です。

ちなみに私は小学生時代、しょっちゅう風邪ひいて学校を休みました。友達の誰よりも多かった気がします。頭がぼんやりし、喉が痛み、咳込み、悪寒に震え、詰まった鼻に苦しみながら、情けない思いで布団を被っていた場面を生々しく思い出します。ところが中学生以後ほとんど風邪ひかず、職場でも風邪で休んだ記憶はありません。同世代人には同様に、“風邪ひかない”、“インフルエンザ罹ったことない”という人が多くみられます。昭和の子は寒風の中、鼻水たらして駆けずり回っていました。皆、私のように子供の頃さんざん感染して強力な免疫ができているのでしょうか。当時無かった新型コロナも幸い罹患なしです。咳も鼻詰まりもこりごり。このまま「馬鹿」を突っ走りたいです。