岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

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祈りと苦行と呪い

 岡山市郊外、龍ノ口山に八幡宮があります。今や受験の神様で、シーズンともなると多数の受験生と家族の祈りで満たされます。オフシーズンは静かな里山。急斜面の岩場は結構きついですが、一か月ぶりに参詣しました。最近は家内安全、関係する皆の幸せ、コロナ退散、ウクライナの平和を祈るのが定番です。欲張り過ぎ?いいえ、神様は万能です。今回は特別で、長女の無事な出産を第一に祈りました。そういえば、妻が長女妊娠中、「苦労を分かち合う」とかの口実で吉備路マラソンを走った思い出があります。自己満足以外の何物でもないですが、この度も、熱暑を押して登ればさぞかしご利益も大きいかろうと思いつつ。非科学的、非合理的です。

人間は不安になった時、神様にお祈りします。受験、試合、新たな船出、病気平癒等々、先行き不明な時に神の助成を願い、手を合わせます。日本でも、海外でも、きっと同じ。祈りの真剣さを示すためにたくさんお布施したり、水垢離、お百度参りの苦行をしたり、長く険しい階段を登ります。万能で、無償の愛を矜持とする心の広い神様には、人間界のお金は子供銀行券と同類、賛えることも、臭い汗を流すことも不必要と思われます。人間に犠牲を強いる”神”など、夢魔の化身です。一方、祈る側は、払う犠牲に応じて神様が応えてくれる幻想にとらわれています。苦行を代償に祈れば天に通じると信じられたら、心が落ち着き、実力が発揮できるので、十分に意味があるかもしれませんねえ。自己満足ですが、結果がよければOKなわけです。誰も傷つかないし。寸暇を惜しんで勉強するほど成績が上がるとか、坊主頭にすれば野球が上達するとかの考えも似てますねえ。そう出来る人に大切なのは、おそらく「信じる」ことです。薬にだって偽薬効果があり、メリケン粉でも、効くと信じて飲めば、心が安らぎ、免疫力が高まり、活動性が上がり、食欲が増して病気が回復します。信じれば救われるのは薬も、イワシの頭も、神様も同じかもしれません。高額な健康食品は、高額なだけに効果が良さそうに思え、何となく実質的効果も期待できるかもしれません。信じられたら高額健康食品よりメリケン粉の方が懐が痛まないだけましかも。一方で、心の持ちようだけではどうにもならない部分もたくさんあり、健康?食品でごまかしている間に治療時期を逸してしまう危険性もあります。病気の場合は最良の治療を受けながら、気持ちを前向きに持って病気に対するのが最も効果的と思います。運動だって、もちろん苦行を軽んじるワケではなく、効果的に練磨すれば実力up、自信もupしてW杯での勝利につながります。感動のバスケ、AKATSUKI JAPAN

信じて救われる話で進めて來ましたが、逆に呪いの効果も検証が必要です。昔から、直接手が下せないけど嫌な奴を懲らしめるために呪いがあります。丑の刻参りの五寸釘とか。呪いが効果を引き出すためには、呪いがかけられていることをそれとなく対象者に知らせないといけません。どこかで、誰かに呪われているとの思いが、対象者をおびえさせ、不安に陥れ、気持ちを萎縮させ、ストレスをかけ、吹き出物、胃痛、脱毛、便秘、不眠、頭痛、肩こり、引きこもり、免疫力低下を経て、身を破滅させるわけです。呪われていることが対象者に伝わらない場合は効果が期待できません。思い当たる後ろめたさがない対象者を呪っても、これまた効果なしです。暗がりが怖い様に、呪いもあからさまでなく、何となく伝わることが重要です。SNSとかで明確に伝えてしまうと証拠が残って、告訴されますから止めましょうね。加えて気を付けないといけないのは、「呪わば穴2つ」と言う事実です。呪った方にも暗いストレスがかかり、共倒れになるのです。明るく楽しいことすれば免疫力上がり、暗くたくらむと免疫力が落ちる自爆行為です。明るく呪うことができれば暗いストレスがたまらないかもしれませんが、呪いになりません。健全な皆さんはゆめゆめ他人を呪わないよう、嫌なことは明るく笑い飛ばすか、真摯にお祈りして前向き人生を歩みましょう。