岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

〒702-8005
岡山県岡山市中区江崎104番地-16

MENU

多様性

暑い。セミの声(今年は7月3日頃から)が更にあおる。一方、屋内ではオリンピックが熱いです。大逆転で勝てる昨今の日本選手を見ていると、多様性という言葉が浮かびます。いろいろな種類や傾向のものがあって、変化に富む状態を指す言葉です。このところ、“持続可能性”と並んで多用され、食傷気味の言葉ですが、ここでは単純に多様性。1つは、様々なルートで積極的に海外と行き来している選手が多いこと。もう1つは遺伝的多様性で、一見“昭和の代表的日本人”には見えない選手が多くなりました。

歴史的にみると、日本列島には北方、西方、南方から絶えず人々がたどり着き、遺伝子、文化が混ざり合って“日本人”になったと思います。もちろん、さほど混ざっていないグループもあり、「日本人は単一民族」とか言っても、「だから何なの?」というのが現状です。単一よりも多種導入した方が可能性、世界が広がり、文化の奥深さが増すのではないでしょうか。日本が独自の文化を発展させ、さらに明治維新後短時間で西欧に追いついたのも、もともと多様性に富んでいたために異文化を理解し、取り込む能力に長じていたからだと思えます。世界が賞賛する日本食の奥深さも、味にうるさい消費者を背景にmixと淘汰を経て高い境地に達したと思います。

スポーツも同じ。各国の選手、一流選手と交わることで、効果的トレーニングや技術を切磋琢磨でき、経験値が上がり、無用な力が脱け、実力を発揮しやすくなって大逆転が生まれているのではないでしょうか。「丸刈りでないと運動ができない」のは変化に耐えられない人の妄信かも。遺伝子的には背が高かったり、瞬発力が強かったり、持久力があったり、人種も関連するような様々な特徴があります。多様な遺伝子のmixにより利点が増強し、より超人になる可能性があると思われます。欠点がmixする可能性もありますが。いろんな意味で個性豊か、自己主張できる我が国のオリンピック選手を見ていると、ずいぶん進化したなあ、世界標準になったなあと感じる次第です。これに勤勉が加わって、より大きな成果が得られていると、確信します。

元々人間は多様性の中で進歩し、淘汰の圧力に打ち勝ってきたのです。一説には免疫的に異なる異性に惹かれるとか。その方が感染に強くなるので生存力が高まり、生き延び易くなるという考え方があります。社会が多様であるほど世代を経て能力が伸びることになります。もちろん、多様性に対応出来ずに困惑し、ついて行けなくなる人も増えるかもしれません。価値観も多様です。オリンピックでメダルが取れなくとも、自分だけの宝を見つけ出し、磨き、自分を表彰することは誰にだって出来ます。イヨッ世界一!!