岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

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雑感

新緑が爽やかにきらめく季節となりました。とはいえ、新型コロナの脅威は止まるところを知らず、輝ける世界には程遠い状態です。一般の病気でも、その対応は教科書通りにはいきません。生じ得るいろいろな状態を予測し、対策を試みつつ、副作用も含めて全身の状態が最善になることを念じて治療します。例えば絶対安静が改善を早めることも、逆に身体機能を悪化させて改善を遅らせることもあり、見極めが大切です。心身の状態をよく把握し、十分な病態理解、治療の証拠、経験を基に対応を選択し、医療・介護連携のもとにより良い結果を目指します。現実には病態不明、治療未確立の場合が多いですが、知識を基に反応を予測し、試行錯誤しながら、準じたよりよい対応を目指します。
私は感染症の専門家ではありませんが、新型コロナ対応も同様と思えます。感染予防のためには飛沫、エアロゾル発生を伴う接触機会を減らすこと、ウイルス保有者を検出、隔離すること、そしてワクチンによる集団免疫の獲得がポイントと思えます。中途半端な行動制限、やっている感のための表層的振舞いは栓の抜けた風呂桶に水を注ぐようなもので、徒に社会資源や労力を消耗させます。自然は人間に忖度しません。現場の実態をみない一方的指示も机上の空論になり勝ちです。医療はチーム力で、一般国民もチームの一員です。リーダーには是非、証拠に基づいて危機を予測し、対策を企画し、明確な目標を提示して皆の協力を引き出し、ワクチン、治療薬の開発に最大級の資源注入をして欲しいです。